前回は、個人による自由主義社会に模した、(議会による)自由意志を持つ法人たる立憲国家の集団による国際主義が、イギリスの国際戦略であり、また決闘主義(決闘裁判)が、イギリス(ゲルマン民族)から始まる欧米的伝統であって、それらのターム(時間的空間的制限)によるスキームを受け入れるのが「戦後」であるため、それを再考するとき、そのイデオロギー上の文脈で語られる「太平洋戦争」に、或いは欧州主観による「第二次世界大戦」でもなく、汎アジア主義で語りうる「大東亜戦争」を対置させ、太平洋戦役、朝鮮戦役、ベトナム戦役を一体として考えることを述べた。さらに、「太平洋戦争」のベトナム化は可能であったかを考えたときに、二重スパイに触れた。
二重スパイは、特段、荒唐無稽でもなかったのだ。
ケンブリッジ・スパイ 〜英国を裏切った美しき男たち(2003) ( 映画レビュー ) - オネムの映画鑑賞メモ - Yahoo!ブログ
国際主義との格闘 - 日本、国際連盟、イギリス帝国 (中公叢書)
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『植民地統治の正統化のための主要なイデオロギーが信託(trust)だったからである』
国際信託統治の歴史的起源(一):帝国から国際組織へ
(五十嵐, 元道,北大法学論集59(6):295-326,2009-3-31)
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[日本の「ソ連化」(国家総動員と「科学」的計画主義)の延長とソ連の後援を考える]
「空の要塞」をどう封じるか
ー朝鮮半島の「ミグ」(ソ連の航空戦力)にできて、日本列島の「屠龍」(日本の航空戦力)にできなかったこと
さらには、
◎焦土作戦と研究とゲリラ戦の列島全面展開の準備
◎(北京)大本営(松代大本営を中国大陸へ、さらに動座)と、亡命フランス、台湾、北朝鮮、ベトナム政府
◎天皇暗殺とクーデターの戦前、戦中、戦後「服部機関」まで
~国体とソビエト或いはイギリス式議会主権、並びに、皇軍ー大正デモクラシー後の国民軍と紅軍
「敗戦」の本質とは何か
朝鮮戦争ではB29は封じられ、ベトナム戦争では実際に勝った。
アジアでアメリカに負けたのは、大日本帝国だけである。
日本の「ソ連化」の"前進"とソ連からの支援と独立については、中国、北朝鮮、ベトナムが達成していることを考えればよい。
そして今は。
小「大日本帝国」の北朝鮮と、大「大日本帝国」の中国(共産党)が残った。もし、人道主義と「八紘一宇」(統一シンボルによる政治的価値の棚上げと立憲主義に立った経済自立相関スキームーc.f.イギリス連邦)に基づき、「アジア会議」をさらに理想的に推し進めていたら※、「大日本帝国」は終わって、戦後イギリス連邦における、イギリスーカナダ、或いは、イギリスーオーストラリアのような関係に立つことも可能だったかもしれない。日本も、世界がそうであったように、国際秩序の形成に向けて、まさに変化の途上だったのである。
※ここで、天皇と各国王族の立場を巡って、「八紘一宇」を、或いはより一般化、或いはより抽象化させられるか。
日本は本当に負けるべきだったのか。事実としても、理想としても。
敢えて負けを選択することで、多くの国民の命は救われた。しかし、「敗戦」とはシステムの一要素にすぎず、システムからしか説明されない。このとき、我々がどのイデオロギーを選択しているかを、自覚していてよい。事実さえ再帰的に評価されるのであるから。