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大学推薦入学と独占形態(コンツェルン)

東京大学の推薦入学に関して。
今年も地元から一人推薦されたと聞いた。この生徒の所属する高校はナンバースクールの雄で、一方の藩学からの歴史を持つ、国立大学附属の高校とも違った権威を持っている。関口開に思い入れを持っているので、できれば附属校の生徒に奮起してもらい、理学部数学科を「取り返して」欲しいところであるが、「一中(戦前)」「一高(戦後)」は今年も、一般入試における合格者数でも、附属校を凌いでいた。
推薦で合格した子は、県内唯一の理数科に所属していた方だったろうか。昨年は、附属校の、数学の国際大会に入賞した経験を持つ方だったが。

何をか言うや。
推薦入試について、全国の高校から、不満と言うか、申し入れと言うか、「ハードルが高すぎる」ということである。これは筋違いだと思う。
一般入試に漏れそうな子にもチャンスを与える、ということが違うと思う。
なんだろう、高木貞治もそうであったし、岡潔もそうであったし、つまりは、どこかの研究室に入るときに推薦状を描いて貰うイメージでいたのだが、大学にはどうしても教養課程があるので専門的能力とは別のところでの勉強も必要になるにも関わらず、専門的能力の高いことが見込まれる生徒に関しては、特別に推薦されるところを、その推薦者に一定の信頼を置いて入学を許可する、という本来(能力の、本源的未規定性ゆえの、評価の別の可能性として)人格的な話ではなかったかと思う。つまりは、そもそも東大のリクルート能力が試されるのであるが、システマチックにそれを発揮するといっても、サロン的な繋がりでもよかったはずで、それだって「制度」なのであるから(公平さ、ではなく、公正さ、が担保されるのであれば)。

※某私立進学校では、リクルーターがいるか、独自の情報網を持って、(独自の)「別の評価」をしていることを窺わせる。それは悪いことではない。

統合失調症がやってきた

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ちなみに、東大最年少入学記録を持つ、森鴎外は、どうも不正入学らしいが、そんなことは、彼に限っては(誰にでも許されることではない。)些細なことである。 森鴎外 - Wikipediaちなみに、三島由紀夫は、官立からの推薦入学である。三島由紀夫 - Wikipedia


では、なぜ係る不満が出るかと言うと、日本の学制では、(大学院ではなく)大学を頂点とした或る独占形態を敷いているからであり、須らく「評価される者」は、この上で機械的に吸収されなければならない、という信憑があるせいではないか、と推測する。そこが違う。
いや、何しろ、天下の東大であるので、「最も」学業優秀な生徒は須らくそこに吸収されるべき、という意欲を東大自身は持ってよいが、「この上で機械的に」であるところの解釈が違うように思う。そこは東大の裁量があってよく、むしろ東大の持つ能力が試されてよい、ハーバードが、寄付金集めに最も力を注ぎ、最も優秀な職員を配置し大いにその能力を発揮させているように。もはや国立でないのなら、なおさらであるが、補助金云々ということであれば、それは結局「シーリング」の問題であって、推薦による入学者の割合の話である。
不満を持ったのであれば、一般入試を受けるか、別の大学の、とくにその他の国立並びに公立の大学への推薦を考えるべきではないか、と思うのである。

大学の或る独占に関する、その形態に疑問を持った次第である。
いつも言うが、マス教育を解体して、教科を資格化し、市民教育(教養課程)は義務教育課程に、ダブルスクール、選科、渡り(大学から別の大学へ)があってよいのである。その中で、許される限りの大学経営の自由、裁量があってよいのである。とどのつまりは、いつも言うように、学校制度の問題は再行程化過程※2の為の資産運用(再構成化)の問題であって、技術をパラメータに持つ、そういう(永続的な)経営の問題であるから。

※2 つまり、このような疑問を持たないということは、おそらくもっともこの再行程化過程がうまく行っている、ということなのだろう。自然と、再行程化しているのである。昨今は、ブラック企業が世間を賑わせることがあるが、そもそもブラックアウトな社会であるのだから。

ともあれ、日本は、(プロイセン型ではなく)アメリカ型の憲法を持つ、「準アメリカ社会」のはずである。尚、高木貞治は、ヒルベルトの弟子であるが、近現代ドイツの大学と比べて、どちらが「硬直的」だろうか?

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👇星一は、最も古い大学の一つで、アイビーリーグの一つ、ボストン大学を卒業しており、卒業論文は、当時もっともホットな経済学上の問題の一つ、アメリカの独占形態についての研究であった。

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