リーディングスキルテストの実例と結果

 

数学は言葉―math stories

数学は言葉―math stories

 

 
新井さんだからこそ、『問題文評価』の問題に気づいて欲しかったなぁ。
読解力に「問題」があるのは、問題製作者の方で、問題文が適正に評価される仕組みが必要である。
数学の歴史を紐解けば、数学は日常語から始まり、取引の計算に使われつつ「対話性」を以て徐々に形式性を獲得し大きな飛躍を遂げながらも、ときに詩になり、その神秘性を失わなかった。数学は何度も革命を得て数学になったのである。驚くべきことに、19世紀の数学を一新した、数学史上の中でも屈指の天才、オイラーでさえ、比喩を用いていたのである。

我々大人の教え方が誤っていることもあるのである。
教育の難しさはここにあって、自尊心と大きく結びつくために、「間違っているのはあいつだ」と他者を指さしてしまうことである。
比喩はいつだって便利であるがそれは推論上の飛躍であるし、語彙はいつだって日常と同じ言葉を用いて特別の制限をかける体系である。大人はそのようないい加減な会話(、、、、、、、、、、、、)でも受け入れられるほど成熟している。子どもは単に反応して(、、、、、、)エラーを起こすだけである。

必要なのは、すべての数学が形式言語に置き換えられることを前提に、問題文はそれに肉付けしただけに過ぎないことを自覚することである。そして、その考えに則った、「問題文評価」こそ行うべきである。

 👇尊敬する、高瀬先生

無限解析のはじまり―わたしのオイラー (ちくま学芸文庫)

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近代数学史の成立~解析篇 オイラーから岡潔まで

近代数学史の成立~解析篇 オイラーから岡潔まで

 

そう考えると。
学校で「勉強ができる」ということの、なんと儚いことよ。