分析的「も」と統合的「は」

雰囲気が良い。特に冒頭文は非常に良い。シチュエーションを選択することにセンスがあるのだと思った。
 👇無料の試し読みを読んだ。

通りすがりのあなた

通りすがりのあなた

 

ただね。冒頭文を過ぎると、俺のようなおっさんには、読むコスト(労力)が大きくなるように感じた。
〇文体を整えると気分が乗る
〇助詞をはじめとした、分析詞(ことば)、統合詞(ことば)に気を付けて、効果的に言葉を使うと感動する
そうすると、おっさんがホイホイ釣れると思う。自分より才能のある人の評価なんてできないから、お願いだよね。
 
👇上手い。

対岸の彼女 (文春文庫)

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  👇「も」の使い方(ちなみに、「の」の使い方もある)

考える短歌―作る手ほどき、読む技術 (新潮新書)

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 「も」(なお、副助詞)は並置、「は」(なお、副助詞)は述語に関して対置、「が」(なお、格助詞)は主体に関して対置を意味する(場合がある)ように思う※。このとき、語順に特別な意味はない。
副助詞をマスターしよう - 国語の文法(口語文法)
c.f.三上『象は鼻が長い』ー主題と取り立て。或いは、主語論理と述語論理

そう考えると。
文章と言う継時的な表現の場合、言葉の分析的性質/統合的性質が問題となるが、「も」は分析的(全体からの再起的表現)だから、テキスト外の情景を全体としたときに、効果的である。文章(という表現)がもともと継時的なので、統合的な表現は調和的であるが、分析的な表現が重なると(「も」と「ついに」)、このときには、調和的ではなく重畳的に感じる。比喩はそもそも飛躍的な説明であるから、

ちなみに、「に」と「と」の使い分けの一例
「と」と「に」はどう違う?|日本語・日本語教師|アルク




【メモ】
プリンは、お湯で熱しながら卵を溶かすとよい。