概念の尾と頭【主体/客体】(外在性)或いは【目的/対象】(内在性)

例えば、「老人」という語を考える。

(形容・修飾)→(被修飾) 

という要素構成は

(制限)→(被制限)

という(被制限)を或る単位とする構造を前提とする。即ち、(被制限)とは、制限するに足る(可能な)目的である。
つまり、(老人)とは、(老)→(人)であり、(高齢者)が(高齢)→(者)と言うときとニュアンスが異なる場合があり、それが(人)、(者)の独立する意味合いを結果として(相互前提供与イ的に、循環的に)付与している。

補助線を引く。
「ボランティア」という語を考えてみる。
ボランティアは活動を指し、またそのような活動を担う人の両方を指す。

(老人)で謂う(人)には、(担う)→(人)のニュアンスが込められ、(老)によってそれが制限されていることを示す。
(高齢者)で謂う(者)には、そのようなニュアンスが薄い。というよりも、そのような関心が薄い。というのは、むしろそのような関心の対象だからである。
何が言いたいか。主客の分離である。
或る目的では、(老人)には主客不分明乃至主客一体の意味が込められ、(高齢者)には客体の意味合いしか込められていないか、主体性も客体の一環として扱われている

もとよりそうだったわけではない。(老人)にはここで言う(高齢者)の意味合いも含まれていたが、或る目的に沿って、結果としてそのようなニュアンスを帯びたのだ。

ここに、「公民」としての(老人)の位置づけと「住民」としての(高齢者)の位置づけの違いが現れる。それらの言葉を構造だてるのは、「社会教育」(場合によっては「生涯学習」)であり「福祉」である。そのような区別を特徴づけるわかりやすいトピックをひとつ挙げれば「リーダー(論)」である。

👇社会関係上の「老人」を巡る4つの「なぜ」(生物学、医学的な意味ではなく)
ティンバーゲンの4つのなぜ - Wikipedia

生き物をめぐる4つの「なぜ」 (集英社新書)

生き物をめぐる4つの「なぜ」 (集英社新書)

 

①作用要因(客体としての老人)    【機構/メカニズム】
②構造化要因(客体化される老人)   【発達/個体発生】
③目的要因(社会化される老人)    【機能/適応】
③沿革要因(老人観の形成)      【系統発生】
c.f.行政主体に関する「行政組織法」(主体)、行政作用に関する「行政作用法」(客体、効果)、行政救済に関する「行政救済法」(利害調整)

もちろん、自然科学と違って、密接に絡み合っているので、ひとつの見方、考えの整理の仕方の提示である。

 

戦前の、自然発生した集まりの町内会への統合を経て、戦後、復興運動の中で主体性を再確認されたうえで、社会実体に裏付け(法源、財源)を付与され、再統合されてゆく過程と葛藤をどう捉えるか。
自治(総務)/教育(文教)/医療福祉(厚生)/経済保障(労働)の各ファクター(ステイクホルダー)の関与を俯瞰しつつ。


「進化相」を考えるうえで興味深いのは、文学上の「時の発見」である。