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やりとりが面白い
P先生「数のセンスがある」
Q先生「9から始める」
R先生「Xを立てて」
それぞれに意味があると思います。
R先生のために筆算の意味を考えてみましょう。
筆算は「縦書き」が画期的なのです(天才的な発明です)。
それを【操作抽象性】と呼ぶことにします。
このときに、筆算にはどの数字を入れても成り立ちます。
『9から始める』ことにも筆算の意味からすればとくに注目すべき点はないのですが、トライする気持ちが載せられていることに意味があります。どの数字を選んでもよいのですが、まずは慎重な態度を採るものです。
『立てて』は、どのような数字を選んでもよいはずのところ、わざわざ制限をかけていることになります。その制限は、数字を数字たらしめることに反していない制限ですから、数字の持つ或る特徴を選んで付加した条件であり、そうすることでその特徴を表出するはずです。それが位取り(記数)であり、10進数です。
立てられる数字の具体性を問いませんので、10進数に在るその抽象性を【概念抽象性】と呼ぶことにします。
このとき、『数のセンスがある』というのは少し不思議な感じがします。筆算の持つ【操作抽象性】の利便性に留まって【概念抽象性】の利便性を問わないからです。大きな数字に成ればこの利便性が実感できるはずであり、逆に小さな数字の場合であってもそれに留まる利益はほとんど感じられません。筆算の計算量に違いはないでしょう。
ではなぜ、そこに留まるのか。
数字が好きな子どもたちに特有の遊びがあるようです。例えば、車のナンバープレートの暗算です。ナンバープレートの4つの数を見ては暗算することを楽しめる子たちがいるのです。彼らは数字が好きなのです。
その可能性もあるし、そうだとも言い切れません。反例は私です。
『たまにそういう子たちが居る』のは、1乃至数回試せば十分だからで、10進数の利便性に気付くからです。
ただ、筆算の可能性に気付いたときに、負の数にまで数を拡張できたら、面白いなと思います。
中印式掛け算で割り算をする。
百の位と一の位の約数を適当に組み合わせると、中印式掛け算を構成できる。
一方の十の位の交点を数えたところの12、21をそれぞれ3で割ると4、7であるから十の位に足す。
156、273をそれぞれ3で割ると、52、91である。
位取りに注意が要るが、
156を2で割ると78になることがわかる。
173を20で割ると、13.65になることがわかる。
(基本形)