上杉慎吉伝と上杉慎吉論

だから、「伝」として上杉を語っている分にはそれで最高であるが、その「論」を語るには迫力不足の感が否めない。穂積との違いや、誤解されやすい点などに触れているのは、白眉だが(ようやく、繰り言の経緯を論うのではなく、学説として分析的に語られている。)、もっとボリュームが欲しかった。
特に、反対的に、美濃部のインチキを「論」から語るのは極めて重要であるが、なにしろ、自分がまだ読んでいない。
 
👇美濃部の限界はどこにあったか(美濃部は終戦時一応招聘されたが、なぜパッとしなかったか)。

美濃部達吉 天皇機関説評論集

美濃部達吉 天皇機関説評論集

 
憲法講話 (岩波文庫)

憲法講話 (岩波文庫)

 

 

憲政派対憲法
自分の考えでは、明治の憲政は、「憲法に拠って立つ政治」ではなく「憲法に先立って在る政治」であった。

明治憲法史 (ちくま新書)

明治憲法史 (ちくま新書)

 

明治日本には、民主主義の思想と運動の豊かな蓄積があった。「主権在民」論と「議院内閣制」論の間のせめぎあいの中で、それはどう深まり、挫折していったのか。また後の時代に何を遺したのか。福沢諭吉植木枝盛中江兆民徳富蘇峰北一輝美濃部達吉らの議論を読み解きながら、日本の現在の姿をも照らし出す刺激的な歴史叙述。 

明治デモクラシー (岩波新書)

明治デモクラシー (岩波新書)

  • 作者:坂野 潤治
  • 発売日: 2005/03/18
  • メディア: 新書