2024-03-03から1日間の記事一覧

維新の志士を父に持った野口遵、維新の志士に憧れを抱いた夏目漱石

東京物理学校を卒業して松山中学へ赴任し、退職してから東京市街鉄道株式会社に再就職するというのは、なかなか不思議な経歴だったんじゃなかろうか。 なにしろ、現在なら、大学生が中学校の先生に成って、中学校に何年赴任したのか(夏目漱石なら1年だった…

追記した。 (鉄道各職員受験準備完成 : 実務兼用 , 帝国鉄道倶楽部編輯局 編 , 三友堂 , 大正8 - 国立国会図書館デジタルコレクション) 「坊ちゃん」も覚えただろうか? 電気鉄道機械器具図解 , 東京市街鉄道株式会社車輛課 編 , 電友社 , 明38.7 - 国立国…

『坊ちゃん』が物理学校出身だったことは、意外だったかもしれない。物理学校出身者がどこまで「エリート」と呼べるのか、当時の社会にあって教師などの「新階層」が出現したのは間違いないなかったところ、カリキュラム内容は「中等教育程度(現在の中2から高1或いは2レベル)」でいたって平凡で在るが、指導者の陣容から現在のSSH並み或いはそれ以上の「エリート校」だったかもしれず、私学とはいえ実際後年検定免除の特権も付与され、卒業後は専科教員としての矜持は高かったことは想像される。しかし、帝大出身、師範学校出身の向こうを張

ほどだったのかは疑問であり、「坊ちゃん」の街鉄就職試験に「微分積分」の出題があった場合、物理学校で、「初等算術」は当然のこととしても、「微分積分」の検定に合格できていたのか。物理学校出身の数学史家片野さんのレポートに着目して、追記した。 数…