『スムマ』(1494年)
原題は"Summa de Arithmetica, Geometria, Proportioni et Proportionalita"で、「算術・幾何・比及び比例全書」あるいは「算術、幾何、比及び比例総覧」などと訳される。公用語のラテン語ではなく、イタリア語で書かれ、第1部は主として算術、代数、第2部は幾何について論じている。
本書の第1部第9編に簿記論があり、ルネサンス当時のヴェネツィア商人が使用していたヴェネツィア式簿記(複式簿記)が初めて学術的に説明されている。ここで財産目録の作成、日記帳、仕訳帳、あらゆる元帳、勘定の取り扱い、さらには決算など簿記にかかわる知識と理論が詳細に説明されている。パチョーリの業績に対しては、既存の知識を編纂したにすぎないという批判もあるものの、15世紀において、また21世紀の現代でも既存知を体系化することは一流の学術そのものである。
簿記論の部分は各国語に翻訳されて普及し、複式簿記の知識がヨーロッパ中に広まった。これらの点でパチョーリの功績が評価されている。
また同書では、賭博を例にとった問題が紹介されており、これは確率を数学的に取り上げた最初の文献であるとも言われている。
ルカ・パチョーリ - Wikipedia
〇ルカ・パチョーリの「確率」は彼の簿記にどのように使用されているか。
〇中国においても複式簿記はあったが、「確率」は使用されていなかったか。
複式簿記構造の基本論理への一試論 −複式簿記生成史を手がかりにして価値運動会計理論を探る− 王 春山(東北財経大学).pdf
「企業ファイナンス発達史-株式会社財務の歴史的展開一 (2)」青山英男 監訳 森 勇治訳
👆法(裁判)と会計と契約と軍隊と数学が一体となって発達しないと駄目