雨が降ったので、靴をとりあえず専用洗濯機に入れている40分、ふらっと本屋に寄って立ち読みしてみた。思っていたより分量があった。

航空戦史 (航空戦から読み解く世界大戦史)

航空戦史 (航空戦から読み解く世界大戦史)

  • 作者:古峰 文三
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

まず、面白かった。
全く知らないわけではないが、ほとんど知らないのに何となくそうだと思っているよりも、きちんと資料に当たって説明されていると説得力を増す。
やっぱり「陣地獲り」であって、優勢を目指すから、(それが数的優勢を意味するならば)満ち引きがある。つまり、搦め手から来られると、衰勢に陥るんだろうなと思う。
即ち、(単純な「量」ばかりではなく、推移を以て為す)「勢」であるだろうから、そこにまた尾ひれがつくのだろう。
独ソ戦は(ナポレオン戦争の教訓を引いて)「戦争を以て戦争を養う」ことが禁止されなければならなかったろうか。要は、兵站を担う工場群の疎開が功を奏したのであって、関東空襲においては北陸地方への疎開が提言されるし、ドイツ空襲においては連合国の苦慮の原因となっている。

そうなると自分の興味から言うと、中国大陸への大本営の遷移(動座)の有効性ともかかわってくる、大日本帝国陸軍の大陸沿岸部での猶の継戦意思の行方なのだけれど。まだ読み込んでいないので、中国大陸のどこからB29が発進したのか知らない。
ただ、大陸に工場つくられるかって言うと。

それとこれはまだ言えるかどうかわからないが、終戦後に戦火を交えた、占守島の戦いが本当に信じられる程度の勝利性を持っていたのかどうか。「緒戦優勢」はノモンハンも同じなのである。自分は一抹の不安を覚えている。ただ、相当の時間は稼いだだろうと思う(有利な交渉での敗戦を迎えられるかどうか、ソ連次第である。ソ連はもはやいつでも戦略的には優位に立っているのだから、ひとつの敗戦に消沈する必要があると判断するのかどうか)。