渋滞と平均自由行程

そう言えば、以前、渋滞を平均自由行程から考えようとしていた。
いや、渋滞ではなく、コンビニ内の混雑であるし、平均自由行程ではなく、円周上の衝突運動の対称性(円周上を逆方向にすすむ同様の球の衝突反転とすり抜けの見かけ上同じこと)を、振り子運動の位置エネルギーと運動エネルギーの代替の実験ー紐に五円玉を括りつけて水平に保った鉛筆から垂らして振り子運動をさせているとき、五円玉を括りつけている紐のもう一方の端をつまんで、紐を鉛筆にひっかけてから少しずつ引っ張ったら、五円玉は1回転するか。する。ーから考え直し、位置エネルギーを相対距離エネルギーと考え、運動エネルギーとの間で保存則が成立するなら、相対距離エネルギーが小さいときに、エネルギーのオーバーフロウが起きて停止するタイプの渋滞もあるのではないか、との仮説を考えたのである。
実際には、単位運動子間の自由度のことであり、自由度が、相対距離の減少に対して急速に減少して、運動の停止を起こすのではないか、ということである。
それを比喩的に表現するならば、円周上の等間隔に配置されたポイントから、それぞれから正方向と逆方向に等速度の球をスタートさせるモデルと、ばらつきのある間隔で配置されたポイントから同様にした場合を見比べたらよい。これは各単位運動子のゆらぎの模倣だが、後者の場合、球が密になる箇所と疎になる箇所がでてくるので、この密になった場合に、「停止条件」を考えるのである。理想的な粒子であるならば、極限距離(0に限りなく近づく)であっても運動を維持できる(極限であっても、「点」になるのではなく、その幾何的性質を失わない)が、実際はそうではない。その、実際はそうではない、を考えるのである。そうすると、実際上の限界的な相対距離があって、それが空間的なキャパシティーの問題であるが、一方で、それが外部との相対的な関係であるならば、単なる空間の接続ではなく、(内部への)入射速度との相対も関係してくるのかが問題である。円周上の球の衝突反転運動で言うならば、一つの球だけ動きを早くしてやると、そうでない場合に比べて、密になるのも早いか、という問題である。揺らぎのエネルギーは一定ではないかもしれないのは、相対距離のエネルギーとして謂ったが、そこに運動エネルギーとの代替を考えるもう一つの意味が出てくる。元になった振り子の運動では、大きく振って運動エネルギーの初期値を大きくした場合と、小さく振って運動エネルギーの初期値を小さくした場合で、括りつけた紐を引っ張って五円玉が一回転するまでの、その引っ張った紐の長さに影響するかということである。
こうして、『渋滞学』上ではなかなか語られなかったことが、しかし、経験上は誰もが分かっていることが、語られるようになる。つまり、道路には、キャパシティーが在る、という当たり前の事実であるし、異なる二つのキャパシティーを持つ道路の接続の問題である。つまり、逆数で考えるなら、大きなキャパシティーを持つ道路は、大きなゆらぎ即ち大きな相対距離(エネルギー)を持てると言うことであり、要は、(あくまで、逆数で考えて、条件を整えた場合)より大きな密度を保てるところ、それらが接続して、その密度が持ち込まれると、たちまちキャパシティーがオーバーして、「停止する」ことになるのではないのか、ということである。
ここらへんが、熱力学から発想を得た比喩なのであるが、要は、温度は高いところから低いところに流れる、ということからである。もちろん、渋滞の場合は、それは確立された法則の話ではなく、仮に、「温度の高い」ところから「低いところ」に流れたとしたら、という話である。(逆数で考えた場合の)エネルギー密度の高いところから低いところへ流れた場合に、そのエネルギー密度は散逸するのか、ということで、散逸するだけのキャパシティーがなければ、運動を「停止する」だろうということである。
そうすると、逆数で考えた場合のエネルギー密度が高い、というのは、元に戻せば、びゅんびゅんとばせるくらい、自由度が高くてスキスキということであるから、その自由空間内での配置が適切に行えば(「渋滞」の反対が、この配置の自由である、ごく当たり前の事実を踏まえて)、例えば、別の接続に誘導すれば、接続ゆえの問題も起きにくい、というごく当たり前の帰結を導くことができる。
今の渋滞学は、なぜか、この経験則を、うまく説明していない。そこらへんも、ルドルフ・クラウジスに教わったところである。

どうも、今の渋滞学では、渋滞を(観測事実として正しくても)説明しきれていないような気がしただけである。実際には、よくわからないが。
以前、そんなことを思っていただけである。


平均自由行程 - Wikipedia
ブラウン運動 - Wikipedia
ルドルフ・クラウジウス - Wikipedia

いや、昨日、村上陽一郎先生のことを知って、科学史と言えば、山本義隆さんも良かったと思って。
 👇これ合本で出て、安くしてくれないかな。

彼の政治的発言はどうしても世代的な制約がかかってどうにも仕方がないが、一方で、世界観から科学を捉えるというその世代性は、鮮烈な印象を与えて、彼の科学史は読みごたえがある。



そう言えば、こんなこともしていた。

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