"Transcendental"は、通常、通常の限界を超えるものを指し、または通常の経験の領域を超えるものを指します。哲学では、これはしばしば経験的な知識や理性的な理解を超える概念や実体を指し示します。例えば、数学の超越数やイマヌエル・カントの哲学における超越的な自我などです。より広い意味では、それは精神的なもの、神秘的なもの、または形而上的なものを指すこともあります。
アルバート・アインシュタイン、クルト・ゲーデル、ジョン・フォン・ノイマン、ロバート・オッペンハイマーら世界中から有力な研究者が集ったことでも知られるプリンストン高等研究所で、ゲーデルとともに研究したゲーデルの友人、竹内外史の書いた教科書である。
これが面白いのは、集合論をカント―ルの素朴集合論とコーエンの公理論的集合論にわけたとき、そのカギと成っているのがゲーデルであることに言及するすることだ。要は、ゲーデルの「不完全性定理」を受けて公理論的集合論となる。
そして、この教科書の特徴は、竹内がゲーデルを評価することから、いきなり公理論的集合論を説明するのではなく、素朴集合論の説明に紙幅を費やすことだ。カント―ルの「超越的」の意味がわかる。それが論理的にはラッセルのパラドックスと同等の意味を持つことがさりげなく説明される。