(メモ4)

 

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 というわけで、ネットの中国語辞典を取り急ぎ、検索してみた

一旦の意味 - 中国語辞書 - Weblio日中中日辞典

なるほど。辞書はいくつも比べたほうがよいのがよくわかる。
隠れたニュアンスがあぶり出されやすい。
「旦」はもちろん、「旦」という漢字の意味・成り立ち・読み方・画数・部首を学習
で、お日様が地平線から昇ったことだが、ここから、一朝、一天、万一と同じ意味になるらしい。或いは大きな出来事、警戒すべき、急変が。
最初の辞書を見ると、①短い間。➁(就とのイデオムを構成して)将来発生する、、事実に関する当該節とその後続節の繋がりを説明して、当該説を契機に後続節が当然に帰結されることを強調する。類似の表現に、[如果]…就[只要]…就がある。③急な変化で発生した、、事実に関する当該節とその後続節の繋がりを説明して、当該説を受けて後続節が当然に帰結されることを強調する。

一朝には「一朝被蛇咬,三年怕草绳」があって、これになると、一般的事実を謂うに過ぎない☟
一天は、過去の、特定しない一日(ある日、いつか=いつだったか)を意味するか、有とイデオムを構成して将来の特定しない一日(ある日、いつか=いづれにか)について招来の(未だ起こっていない、到来を以て証明される)仮の想定※、或いは当て込み。
万一は、確度の低いことを指す。
※科学的仮説
☞(ひとたび…したら、と条件を表わすが、)一度噛まれると、で、終止形+と
c.f.逆接の確定条件と恒常条件の違いがわかりません | 古典に関する質問 | 勉強質問サイト

さて、原文に当たる。

勅語
朕惟フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ済セルハ此レ我カ国体ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦実ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭倹己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ独リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顕彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ実ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ
  明治二十三年十月三十日
 御名 御璽

天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ

 ↳一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以て

義勇公ニ奉シ
 ↳一旦緩急アレハ

意味を考えると、

(1)「緩急」(の生起)を契機として当然に「義勇公ニ奉シ」
(2)警戒すべき「緩急」の発生を以て「義勇公ニ奉シ」
(3)万一の「緩急」の発生を以て「義勇公ニ奉シ」

のいずれかのことであって、構成を考えると、

(1)緩急アレ(恒常相)+一旦・バ(条件の接続詞※)

(2.3)緩急アレ(恒常相)+バ(条件の接続詞)
      ↳一旦(アレに係る副詞)

である。
※「一旦」はこのような意味のときは接続詞であるとの説を受けて

こうなると正直、「アレ」でも「アラ」でもどちらでもよいではないか、と言いたくなる。「一旦」はそこまで含意していないからである。「生起」の事実であって、その状況或いは状態の何に強意を置くかに過ぎない。
つまり、これは所詮具体的な例示だからである。本意は、その抽象的な、普遍的な、主節に含意される内容の方である。それを説明するための  に過ぎない。それが恒常条件であっても仮定条件であっても、所詮は具象であって、主節に意味が回収されてしまって、本質的な差が特別出ないのだ。
つまり、その条件は、「万一」だろうが「突然」だろうが「仮に」だろうが「いつも」だろうが、「仮定条件」だろうが「恒常条件」だろうが、かわらずであって、具象(在り様)と抽象(在ることそのもの)の構造的な順序の不可逆性を言っているに過ぎない(抽象的事実は常に具体的事実より大きいーここにこそ、この文の恒常的な性質がある)。
したがって、その動詞のアスペクトは、そうである必然性を欠いて、しかし、そうである偶然な選択であるがゆえに付加的な情報である。わざわざそう書かれて在ることに特段の意味を読み込む必要はないが、そう書かれてあるのだから否定しなければならない構造上の理由も、上に説明したように、ない(どちらでもよいのであるから)。ならば、それを独立の理由として受け取ればよいのであって、つまりは、「アレ」と書かれて在るのだから「アレ」と読めばよいだけである。
すなわち、具象乃至具体例としてたまたまそのように書かれて在る通り、「緩急があったときには」(恒常条件)云々になるだろう。
ただし、このとき、その「恒常条件」なることが「仮定条件」と同列に語り得て対比されるのか、「仮定条件」を含んで「恒常」的である構造を指して「条件」と呼んでいるのか、区別がつきにくい(ために、「アレ」としておくと、経済的である)。
已然形というとき、未然形と区別して考えるのフツウだが、条件成就に於いていずれにしても経験されることであるので、将来あっときでも、過去にあっときでも、仮にあっときでも、確定条件と比較され得る。このとき、確定条件と比較され得るとは、確定される事実に係る/確定される事実に係らない、確定される事実に係る/確定されない事実に係る、確定される事実に限定される/確定される事実に限定されない、のいずれも在り得ることである。

👇は「いつでも」を、アスペクトからではなく、副詞で説明する場合、「一旦」の代わりになるもの

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