ホッブスとルソーの二人史

『眠るジプシー女』アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー
1897年、ニューヨーク近代美術館


この画がなぜお気に入りかというと、鮮やかな色彩と躍動感だよね。
その「躍動感」とはなにか。

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ライオンのたてがみにある。

www.bing.com実際、そんな風に生えていないのだ。

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可愛さと甘さであえて勝負した画家ローランサンを超解説! - アートをめぐるおもち

上手い人が下手に書くのと、下手な人が下手なのは、何かが違う。
ローランサンもそれに気付いて、方向性を若干修正したんじゃないかな。
マリー・ローランサンギヨーム・アポリネールの肖像》1908-1909年
なんか結構酷いけれど、「悪口」にはならない。「下手」な書き方というのを意識して描いている。

特徴を捉えて「描く」のではなく特徴を捉えて「美男子に描く」藤子不二雄A

ただ、ルソーが描いた動物は、なぜか、可愛い。人間を描くから間違える。

平和のしるしとして共和国に挨拶に来た諸大国の代表者たち:アンリ・ルソーの世界 - Bing

山田五郎さんは透視図から解説するけれど、視線移動から考えると、わかりやすい。
要は、アンリ・ルソーは、尻尾から書いたんじゃないのか、と思うのである。

この画も「道が消えている」といわれるが、実は、日本の絵巻物だと「ありがち」だったりする。パノラマを繋げるからだ。

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ある意味、絵巻物の4次元世界(時系列で「読み解く」画)を再現したのが、パノラマ繋ぎの写真。

栗野慎一郎 - Wikipedia

栗野慎一郎(枢密院文書・高等官転免履歴書三・昭和十一年~昭和二十二年)

『平和のしるしとして共和国に挨拶に来た諸大国の代表者たち』で描かれたと思しきひと。

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信号旗もごっちゃになったかな、というのはある。イギリス国旗は、merchantの方を掲げている。
五郎さんは「うまくならない」と言うけれど、雲は上手くなっているんじゃないかな。

いろいろな人が気になる肩からかけているタスキはなんだろう、ということで実は勲章(メダル)につける「授」というリボンだったりする。上位の勲章はリボンも大きいらしい。メダルは大きくないから、リボンばっかり目立つらしい。
知らんけれど。

ルソーが描いた栗野と思しき人物は、黄色のリボンを付けている。ヨーロッパの人たちはみんな青いリボンを付けている。青いリボンの意味はわからないが、日本の場合、黄色のリボンだと相当上位かな?という気はする。知らんけれど。
栗野のこの写真もカラーだったらねぇ。

アンリ・ルソー - Wikipedia

エドワード7世 (イギリス王) - Wikipedia

エドワード7世                1841年11月09日 - 1910年05月06日
アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー    1844年05月21日 - 1910年09月02日

ヴィクトリア女王の息子がエドワード7世であり、ルソーとほとんど同じ時間を生きた。

国際博覧会 - Wikipedia

Wikipediaによると「現存するルソーの最初期の作品は1879年(35歳)頃のものである」とのことだが、3回目のパリ万博(1878年)の直後である。

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ルソーが影響を受けたかは知らないが、新しい画風が受け容れられる時代だったのではないかと思う。

やたらと足を大きく書くのは、実は、日本画にも見られる特徴である。

西洋画はやたらと小さく描く。
これをおそらく意識的に覆したのがピカソで、キュビズム以前の話だ。
ピカソの描く人物像は、一時期、足が大きかった。

ピカソ 作品 青の時代 - Bing images

バラ色の時代 ピカソ - Bing images

ピカソ足(手足)の時代である。


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北斎は凄まじい。
ただ、北斎の虎とルソーのライオンは互角だと思う。