カテゴリカルな消去 「軍事」「家族」「国家主義」、そして「ゲリラ戦」

日本国憲法から「カテゴリカル」に消去されている代表的な指標「軍事」(第9条)「家族」(第24条)「国家主義」(第41条)
ならびに、終戦から現在に至る中でいつの間にやらカテゴリカルに消去された、「ゲリラ戦」についても考えてみたい。
〇指標「軍事」「家族」「国家主義
〇トリックワード『国際紛争を解決する手段としては』『両性の』『国権の』
☆予備概念 ハーバート・ハート「二次的ルール」
ハーバート・ハート - Wikipedia
〇トリックワードの(憲法学上の)解釈
日本国憲法原文(英語)での表記
アメリカ合衆国憲法並びに関係法の文言との比較
〇それにおけるアメリカ法学(判例、含む。)上の見解、解釈
〇トリックワードの挿入の経緯「芦田修正」「国会  委員会」
〇対抗概念「国軍 vs パルチザン」(そして、「ゲリラ戦 vs 国家総力戦」)、「社会主義 vs 個人主義」「ノブレスオブリージュ vs キッチュ(大衆民主主義)」、
アメリカ法(等)制度史上位置づけ((再生自然法論、)プラグマティズム法学、リアリズム法学、リーガルプロセス学派・プロセス法学、批判法学、「法と経済学」(派))

日本国憲法第9条(芦田修正) - Wikipedia
「結婚」「夫婦」という観点から見る日本の所得格差 - 迫田さやか / 所得分配論 (1/2)

国会の国権の最高機関性とは? | 東京 多摩 立川の弁護士⇒そもそも日本は厳密な意味での「三権分立ではない」(ということは、それを主張することによって成し遂げられる『カテゴリカルな消去』とは※)

法と経済学 - Wikipedia

※対抗主張と論争による、ストコーマ
たとえば、芦田はアメリカ法を研究し、その成果を日本の法制に導入したが、樋口などがおこした「主権論争(プープル主権対ナシオン主権)」などは、「アメリカ法」たる日本国憲法とそれを頂点として構成されるアメリカ法体系の受容と、アメリカ法社会の受容に対して、何ら利益をもたらさなかったのみならず、それ自体が、「アメリカ法体系」を『カテゴリカルに消去』する役目を果たし、戦後の日本国を戦前の大日本帝国(国家主権による国体=ドイツ法体系ー或いは、末期に目指した、ソ連法体系をも含むかもしれない。)にひきもどしたという意味でかなり問題で、日本国憲法を「殺した」のは樋口らであると断罪できると思う(その意味で、樋口が今、「憲法の大家」としてマスコミに取り上げられるのは、噴飯ものである)。
つまり、戦後の日本国の出発は、近代社会の出発であった明治と同じ様に、旧体制のエリートの能力を必要とし、ま実際に旧社会(明治においては農村社会の実態、昭和においては下部法制の実体)の大部分をそのまま引き継がなければならなかったのであって、日本国憲法は実際に社会を回している下部法制を護るために「換骨奪胎」される必要があった(と考えられた)し、実際に、樋口らもそうであるがエリートによって、そうされたのである。現在は、PL法の整備の頃からだろだろうか、下部法制も整いはじめ、消費者庁の設置をエポックメーキングとして、アメリカ法の特徴を引き継ぐ消費者法制の充実が、「戦後」に必要とされた国体を突き崩しつつあると思う(だから、自分も迷いなく、このような論考ができる)。c.f.独占禁止法知財

アメリカと日本に見るPL法による法意識の違い

木村は、初等教育におけるリーガル教育をいうのではなく、消費者教育を言った方がよいと思う。そこにはすべてが詰まっている。テキストは、『国民生活_(国民生活センター)』がよい。

ゲリラ戦について言えば、戦争反対を唱える人が持ち出す兵士個人の戦場での悲惨さの心情的擁護には、エリートの行った図式(計算)上での戦争の間違いを批判すると同時に、そのような視点の対抗性が、軸としての「国家総力戦」を固定化し、綺麗なはずの国家総力戦に対する本当は悲惨な、汚い国家総力戦という展開を通じて、日露戦争が従来の決戦型から国家総力戦への嚆矢となったように、第二次世界大戦が来たる戦争形態であるゲリラ戦の先駆けとなっていたのだが、それをカテゴリカルに消去する効果をもたらしている。ゲリラ戦の方が悲惨なことになったはずであるが、そのより深刻な、予定された悲惨さから目を逸らし、それこそが「もっとも悲惨である」と言いたげなのである。また、アメリカに対する「無謀」な挑戦をした国は日本だけではなく、同時に、アメリカに負けたのは(フィリピンを除いて)アジアでは日本だけであることをひたすらに隠し続けるのである。
もちろん、戦争などはしないで済むのならもちろんすべきではないし、「負けるのがのが当然の戦争」、「悲惨な戦争体験」を言ってしまうと、それを指摘するのはもちろん大事なのでそれもまたしなければならないのだが、一方で実際に見失ってしまうことが余りに多いのが問題である。
 

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