【メモ】(-1)×(-1)の説明                                    距離空間と対称性

【まだ考察が十分ではないが】

これはひとえに、そうやって(矛盾なく)構成されている《数世界》の(「そうなっている」との)観察に過ぎず(したがって、(-1)×(-1)=1は、そうなるように決められている、との説明にもなる)、その納得感をどのように得るかになるだろうと思う。(そうなるように決められている)ならば、その《数世界》が記号、すなわち数字と演算子でどのように表現されるか(そうなるように決められているさま)をまず確認する。

1.演算子の性質
集合を演算によってもとの集合に返す(①)
このとき、順序を以て成る実数は数直線上に適切な位置を持ち、演算によって、その(同一の)数直線上に或る位置が与えられる、と言える。
なお、演算子(そのもの、それだけで)は集合の要素ではない(演算子演算子を返す。演算子で結合されて在る数は或る集合の要素で在る➝①)


2.絶対値の根号を用いた定義
(√| a |)2=(√| a |)×(√| a |)=√(| a |×| a |)=√| a |2=| a |(>0)
このとき、 | a |=|-a | 、| ab |=| a |×| b |

3.数の対称性の絶対値記号を用いた表現
       a>0のとき、a=| a |
       a<0のとき、a=-| a |
 
4-1.括弧の性質 a=(a)より、-a=-(a)、-a=(-a)
          結合法則より、(-a)b=(-₍a₎)(b)=-(₍a₎₍b₎)=-(ab)=-ab
          交換法則より  a(-b)= (-b)a=(-₍b₎)(a)=-(₍b₎₍a₎)=-(ba)=-(ab)=-ab
   よって、(-a)(-b)=-₍a₎(-₍b₎)=-{₍a₎(-₍b₎)}=-{(-₍b₎)₍a₎}=-(-₍b₎₍a₎)=-(-₍ba₎)=-(-₍ab₎)=-(-ab)
     a=b=1のとき、(-1)×(-1)=-(-1)


4-2.                       -a=(-1)×a      
          a>0,b<0  | a |=| b |のとき、a=-bであるとすると、| a |=a=-b=-(-| b |)=(-1)×(-1)×| b |=| b |
          | a |=| b |=1のとき、1=-(-1)=(-1)×(-1)     

以上を踏まえて、

a= 1 × a
-a=(-1)× a
| a |=|-a |(かつa≠-a)
のとき
a=-bとすると、b=-(-a)
| b |=|-b |より、|-a |=|-(-a)|,|-1|×| a |=|-1|×|-1|×| a |,| a |≠0より1=|(-1)2|
仮に(-1)2<0とすると、1=-(-1)2=(-1)3
また、或る実数 η を用いて(-1)2=-| η |より、両辺に(-1)をかけて、(-1)3=(-1)2×| η |=-| η |2=-| η2|<0
このとき、1≠(-1)3となり、矛盾。
よって、(-1)2>0より、(-1)2=(-1)×(-1)=1

(尚、P2<0の集合(虚軸)とは独立であり、それ(虚軸)はグラフ上で上のp2>0の集合(実数軸)と直交する。演算子は、実数は実数に返し、虚数虚数に返し、それを演算子で結合した複素数複素数に返す➝①;参考として、原点を中心とする、複素平面の単位円上の操作)

【参考乃至発展】         
数概念について(足立恒雄)http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1625-01.pdf
正の数と負の数 - Wikipedia
反数 - Wikipedia逆元 - Wikipedia


1+2+3+4+… - Wikipedia

nakaken88.com


ボクらは当たり前に記号操作をしてしまうので、何がわかっているか(反対に何がわかっていないか)を見落としてしまう。

最初は別の計算をしていたし、他の方の説明に感心していた。
でも、ひとつひとつなぜ、それはそう言えるのだろうと考えた時に、そのひとつひとつをまずは決めてゆかなければ求められる説明にならず、反対に、そのひとつひとつの決まりがあれば、どのような説明もその例示ーすでに与えられて在ることと等しい内容の別様に過ぎなくなることに気付いた。このとき、例示は納得感を得るための表現であって、説明(そのもの)ではない(比喩に似て、何か飛躍している)。


実は、これは「中一の壁」に関する問題であって、
定礎⇄確認(発見)と認知能力に関して統合⇄分析
振り返りが適宜に求められることを含んでいる。
このとき背景には、疑問を持った時に採るべき態度についても、
何がどのようにわからないかについて自ら考え、それを表現することが求められる。
反対に考えると、件の問題は、その実例であると言え、ならばその問題に答えるだけでは足りず
具体的には、いずれにしても言葉の問題であって、まずはそれが書けなければならない。

(マイナス)×(マイナス)=(プラス)

と書くだけでも、"(""マ""イ""ナ""ス"")""×""(""マ""イ""ナ""ス"")""=""(""プ""ラ""ス"")""
即ち
"記号""文字""記号""記号""記号"
概念で分類した(なお、nは数を表わす)ときに
{(}{)}{-}{n}{×}{=}
のそれぞれについてわからないことには、この疑問自体が成立していないことに気付く。
ここで問われたのは、実は、
〇数とは何か
〇負の数とは何か
〇演算とは何か
だったのである(そして、折に触れて見直すと新鮮であるが、それは教科書の1p目に書かれていることが多いーなぜ最初なのか)。
そういう疑問を持っていることに自ら気付き、適切に表現できるようになる。
そしてそれは小学生に求められる態度とはニュアンスが異なる(平等な理性を備えた主体としての自省と協調性によって振る舞いが統御される)。
またその疑問は小学校で習った理解の仕方とは異なる(専ら観念的な操作に基礎を置く※)。※具象に基礎を置かないが、具体例を確認出来る。
これが「中一の壁」である。

数学記号の表 - Wikipedia

だから、あんまり手取り足取り教えるのが望ましいのか?と思わないではなく、それもあってどうしても最初は億劫に感じたのであるが、奥行きのかなり広い話であって興味深いし、あまりに定番問題なので、(自分は比較的丁寧に、もちろん中学生レベルで、教わった方であると思うが)せっかくなのでそれなりにまとめようと思いついた。
難しいのは、本当の数学なんてやはり大学に行って学ぶことであって、それまでは準備段階に過ぎないのであるが、それでも理解するには視野の広い議論が、不十分ながらーそうであるにも関わらずー必要になってくるということである。
そう言えば自分も無限の先のマイナスについて中学校の頃に考えていたなぁということをふと思い出した。なんでそんなこと考えたんだろ?誰かに何か言われたんだったか。