何もない。記憶もなければ何もないところ                    天人五衰(豊饒の海)/三島由紀夫

 

藪の中・将軍 (角川文庫)
中国の一名画にまつわる伝説に取材、夢幻的芸術美の世界を描いた「秋山図」、文豪トルストイの強烈な個性をツルゲネフとの交遊の中に浮き彫りした「山鴫」、『今昔物語』に依拠して真理の絶対性への懐疑を卓抜な技巧的構成で提示した「藪の中」、神格化された一将軍の虚飾を剥ぐ「将軍」等、テーマ、スタイルに多彩を示す大正10年作品を収録。秋山図/山鴨/奇怪な再会/アグニの神/妙な話/奇遇/往生絵巻/好色/藪の中/俊寛/将軍/神々の微笑み

藪の中・将軍 (角川文庫)

藪の中・将軍 (角川文庫)

 

 

 芥川へのオマージュだろうと思う。
『藪の中』は夢幻能や『外套』※に見られる憑依物と考えたほうがわかりやすいと思う。だから、存在を基にした犯人捜しはナンセンスだが、認識を基にした記憶の物語ではあるだろうと思う。

金剛流・金春流による異流共演《二人静》「豊嶋晃嗣能の会」 | 能楽と郷土を知る会 兵庫県三田市

 

ビアス『月明りの道』、ブラウニング『指輪と本』との類似が知られるらしいが。 
自分はこっち👇だと思う。

外套

外套

 

 

異界を旅する能 ワキという存在 (ちくま文庫)

異界を旅する能 ワキという存在 (ちくま文庫)

  • 作者:安田 登
  • 発売日: 2011/06/10
  • メディア: 単行本