芦部憲法

大先生が答えをズバリ言ってしまったので。
どうしたもんかね。補助的説明になったけれど、わかっていただけましたかね。
一元説、二元説って説明が難しいかなって後まわしにしちゃったもんでね。
全体図から説明する癖があるもんで。資質的に。


芦部の『憲法』はボクも持っているんですけれどね。
ボクのは古いせいかP220でしたけれど、芦部が意識しているのは、明治憲法天皇大権、国家主権)と戦前の憲法を巡る政治状況(天皇機関説事件から統帥権干犯問題)であって、国会の最高機関性は(最高権威性の威光下にあるが)、憲法最高法規性を超えるものではないということじゃないかな。
でもそれは日本の法文脈に従い過ぎではなかろうか。
(芦部自身もよく知っている)アメリカの法文脈に則り、リアリズム法学の影響を考えれば、その機関は天皇機関説との比較ではなく、とりわけ司法機関との比較ではないだろうか、と思わないではない。
ドイツのボン基本法でも議院内閣制を採ろうとしたんだよね、アメリカは(独逸人が拒否したけれど)。「天皇」というよりもそこらへんじゃないかな、と思うんだけれどなぁ。

アメリカは本国とは違う統治形態を採ろうとした。
アメリカは占領当初左派に傾倒していた。

ここらへんから、占領軍自体はエリート排除の大衆支配(大衆民主主義)を指向していたんじゃないかって思うのだけれど、芦部は日本の特殊な法文脈に落とし込むことで、逆に、(本国の)アメリカ法を持ち込んだんじゃないかと思う。