『おまえらは手足の生えた図書館だ』

とは、小林ぜんてい雲道人うんどうじん)が親交のあった西田幾多郎鈴木大拙へ放った言葉らしい。

第18回 日本仏教史

嫡子と謂えるかわからないが、家を出さされたご子息の小林東五さんは、金閣寺臨済宗相国寺派鹿苑寺京都市)のご住職とよしみがあったということであるから、

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この言葉の背景には、旧仏教系と新仏教運動の軋轢でもあっただろうか。わからない。
当時の知識人の多くが通って参禅体験を積んだ円覚寺臨済宗円覚寺派大本山;瑞鹿山円覚興聖禅寺。鎌倉市)で出会っただろうか。わからない。

西田幾多郎もカントに騙されなければ、もう少しましなことも言えたと思いたいが※、オカルトに走ってしまった。『図書館』とは「禅堂」ではないという意味で興味深い。元寇由来の寺に知識人が集まって、本音では西洋哲学批判だったろうか。

※「西田哲学」などとは大げさな話で、高木貞治と違って学がないから、フレーゲを知らなかっただけである。卑下する必要はないが、正しくとらえる必要はある。「不立文字」とは禅の教えであるが、そのせいかは知らないが、論理の軽視は如何ともしがたく、西田のNOTE:思索(レベル)のことを「哲学」として称揚するのはいかがなものかと思う。
その点、鈴木大拙は、世界的なオカルトブームに乗って知己を得たのもあるが、実践的で、結社主義を背景に持つネットワーク社会のアメリカで成功して、日本でも「太陽信仰」は芸術、エンタメ方面で大きく花開いたのであるから、「天平文化」「鎌倉文化」並みに社会の教科書に載せてよい。
ただ、残念なことに、現在の世界では、韓国エンタメの後塵を拝していて、BTSを興味をもって視聴すると、どうも『グレート・ギャツビー』の世界観といっしょなようで、アメリカ的な普遍主義を取り入れたようだ。韓国は、憲法レーニン主義だが、エンタメはアメリカニズムなのだ。政治態度としての中国寄りの事大主義と、「フッ化水素事件」でもう過去のことになっただろうか、日本への要求が激しいジャパン=コモンウェルスという返礼一辺倒の朝貢主義があって、その韓国で熱心に布教活動を行っていたのが、(プロテスタントではなく)カトリック曽野綾子さんなのだから、不思議なブレンドである(韓国で普及しているキリスト教の裏には巫俗―民間信仰シャーマニズムがあるらしい。キリスト教の普及によくみられる土着化のひとつだろう。日本の場合、反対に、仏教へキリスト教ギリシャ哲学を取り込んだ。冒頭の背景である)。

新仏教運動を批判したいのでも、旧仏教を擁護したいのでもない。カントに騙された体たらくが残念なだけである。むしろ(「論理派」の西田幾多郎とくらべて)「ロッジ派」の鈴木大拙は興味深い。のちのジャニー喜多川に繋がる。「日本」へ向かった西田幾多郎と、「太陽」へ向かった鈴木大拙の違いはあったろうか。
その点、高木貞治は大したものだった。
うがった見方をすれば、ドイツの世界戦略もあったと思う。

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さて、

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夏目漱石徳田秋声志賀直哉藤沢清造永井荷風西村賢太である。
古くは、『枕草子』の清少納言と『源氏物語』の紫式部であるが、中原・中華派(高天原信仰)と仏教派(浄土信仰)の教学=政治争いである。


「誼」にすでに「縁」は含まれているか。
それでも「厚誼」と謂うのだから、修飾は重ねてよいのだろう(「誼」にすでに「親しい(つきあい)」が含まれている)。