伝統的な革命観と近代的な革命観

イギリスを挟む議論になってくるけれど、すなわち、抵抗権と革命権の議論である。
以下は、第3講 革命と社会正義,『政治学入門』,カール・J・フリードリヒから。

トクヴィルの見解に懐疑を示して「思うに、アメリカ独立戦争(The American Revolution)はどう見ても正真正銘の革命であった。少なくともロンドンではそう受け取られていた」(P.46)一方で「アメリカ独立戦争は、たしかに数年後フランスで起こったのとは異種の革命であったが、それでも革命であった」(〃)

これは抵抗と革命の二つの伝統の結合である。ここでは支配者が暴君であり、それゆえに打倒されてもよい、という議論がある。この議論は、アメリカ独立戦争に関する限り、結論が出ていない。というのは、植民地開拓者たちは決してジョージ三世を廃位させようと企てなかったからである。
(略)
しかし、もう一方の側面には、すなわち一般的な革命権がある。アメリカ人が為そうと試みたことのすべては、「われわれアメリカ人民は自らわれわれ自身の政府形態を決める権利を有する」という宣言をすることであった。ある意味で、これこそ西欧革命の伝統の中核にあることだと言えよう。

P.55

そして、続く第4講で、主にマルクスを採り上げている。