これはどうも、「「逆推論」を問うている」ようだから、それで混乱しやすいだけで、喧嘩しないように。

ホームズの「逆方向の推理」の特質を鮮やかに解明して、論理学者ホームズを浮き彫りにしたかと思えば

(商品の説明)

確かに、不確実な推理すべてを総称的に「帰納推理」と呼ぶことはあるが、19世紀においてさえ、「帰納」という語にはもっと正確な意味付けがおこなわれていたのである。後に詳しく述べるように、「帰納」という言葉は、実は、19世紀の科学方法論をみるときのひとつのキーワードなのである。

ーー本書より
(商品の説明)

 ホームズは、タバコの燃えカスからそのタバコを吸った人物像を探り出す。片や、ポアロはタバコのカスだけでなく、灰皿、さらには周りにある品々すべてを合わせて、そのタバコを吸った人物を割り出す。
 ホームズは「演繹法」型探偵であり、ポアロは「帰納法」型探偵であるといえる(むろん、両者とも「演繹」と「帰納」の両方の思考を使うが、基本としてだ)。

シネマ探偵学入門~ポアロが解き明かす?龍馬暗殺の真相 | シネマ探偵

それでは、ホームズの推理は、何なのだ。「逆推論」なのか

この例から明らかなように,逆推論は厄介だ。逆推論というのは一般的な慣行で,研究者が神経の活性化から主観的経験へと逆向きに推論することだ。逆推論の難しさは,脳の特定の構造が単一の課題しか実行しないことが稀で,ある領域と特定の精神状態を一対一で対応させるのはほぼ不可能な点にある。ようするに,脳の活性化から心的な機能へと,気安く逆向きに推論できないということだ。ジェフリー・ゴールドバーグがマフムード・アフマディネジャードの写真を眺め,彼の腹側線条体ユダヤ教会堂で使われる燭台のように輝いたときに,「ふーむ,腹側線条体は報酬の処理にかかわっているのがわかっているから,この被験者は,腹側線条体が活性化したところを見ると,この独裁者に対してポジティブな感情を経験しているらしい」と考える研究者がいるかもしれない。だが,じつはそうではない。目新しいものも腹側線条体を刺激しうるのだ。

サリー・サテル スコット・O・リリエンフェルド 柴田裕之(訳) (2015). その<脳科学>にご用心:脳画像で心はわかるのか 紀伊國屋書店 pp.45

I'm Standing on the Shoulders of Giants. 逆推論

「逆推論」とはアブダクションなのか

演繹的推論は、条件文に対する推論の方向によって、アブダクション的推論とは異なります。シャーロックホームズの物語で普及している「演繹」の考え方は、演繹的推論ではなく、技術的には誘拐です。演繹的推論は条件文と同じ方向に進みますが、アブダクション的推論は条件文とは逆の方向に進みます。

(演繹的推論―https://www.asianprofile.wiki/wiki/Deductive_reasoningより)

要は、ホームズの推理はアブダクションだと言っているのかと思うけれど(「誘拐」?)

「アラ探し」と「理不尽の正当化」はアブダクションではなくて正しい逆推論。

正しい逆推論とアブダクション - (保存用) 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編

とまぁ、混乱しやすいのであった。
要は、いくつかの不確実な仮定から演繹するらしい※。

これは正しい説明にはならないけれど、アプローチとして、条件を緩めて考えると、裁判には、例えば、(「物証」のほかに)「心証」ということがある。
つまり、「心証が弱い」ことに疑問を抱いているのかもしれない。
※他のアジア諸国との比較から、遠回しに言及している。と思う。
そういうことだ(と思う)から、揉めないように。

仮に或る説明があって、それから或る事柄が為されると考えるには、動機としての「心証」が弱く、「敢えて」(強い動機を持って)それを行うとは考えにくいとき、アブダクション的に、動機をリサーチする意義を認めるかどうか。。。。かね? 

この人の意見になると、まったく意味がわからない。


内井惣七先生が言及しているように、「帰納法」は19世紀の科学革命の語彙なんだね。そしてそれは、確率論と関係している。
ここで問題となったのは、「証言」の確からしさで、それがいくつかの可能性に言及するものとなっていて、確率論の一歩手前なわけだ。
シャーロックホームズとは、どのような人物か

  • 文学の知識:なし。
  • 哲学の知識:なし。
  • 天文学の知識:なし。
  • 地球が太陽のまわりを公転していることを知らない。
  • 政治学の知識:わずか。
  • 植物学の知識:多様。ベラドンナや阿片、毒薬に特に詳しい。園芸の知識はない。
  • 地質学の知識:限られているが実用的。ワトソンのズボンについた土の撥ね返りを見て、色と粘度からロンドンのどこで付いたか言いあてた。
  • 化学の知識:造詣深い。 解剖学の知識:正確であるが体系的ではない。
  • 通俗文学の知識:計り知れない。今世紀(19世紀)に起こったほとんどの凶悪事件の詳細を知る。
  • ヴァイオリンの演奏が、かなり上手い。
  • 日本武術、フェンシング、ボクシングができる。拳銃や、ステッキ、乗馬鞭など武器を駆使して悪党を制圧する。
  • イギリスの刑事法に実用的な知識を持つ。

シャーロック・ホームズ - Wikipedia

ただし、これは誤解だ。
『教養の必要性を主張するワトソンをホームズがからかったためだとされる』
らしい。みなさんも、あふれる教養をひけらかすと、ホームズに裏をかかれますよ。