要は、"I love you"問題ですよね。
学者と言っても政治学だから、学識が違うのでしょう。

この頃は、「情」はともかく、「愛」を公言するのは男性間ーすなわち、夏目と正岡などーだった社会事情もあったようで、その後、愛情らしきものから「友情」が分離して、現代的な、対等な異性愛が観念されたんじゃないですかね。
僕らは現代に生きて居ますから、当然に、主人公と女性の愛情の話を中心に考ますが、意外に、「先生」と「K」の「愛」の話だったかもしれませんよね(後の三島や現代的な同性愛ということでもない)。夏目と正岡を思い出すなら。

その経緯にあって、夏目は、(単に欲求が満たされなかったということではなく)「失恋」を発見したんだから、それはそれで褒められていいんじゃないかと思う。

夏目漱石心理主義からの個人主義の学統ですからね。或る意味で、元良勇次郎の「門下」で、(独自の)科学主義ですから、いちいち説明はしませんよね

口説を弄しないところを書き切ろうとしたのですから。
根本的にただの難癖だと思います。