「好きくない」の文法的誤り~「好き」は名詞か、動詞か、形容動詞か

私も井上ひさしは好きで、星新一にはまった後に、さぁ読もうと勢い込んだことがあるけれど、そこまで熱中しなかった。
『私家版 日本語文法』も買いましたけれどね。『自家製 文章読本』の方がまだ面白いと思う。
要は👇でしょ。

日本語再入門講座【文法】 ~学校文法と日本語文法~
これ面白いのだけれど、例えば次の、

【問】

 学生が「い・な形容詞」 の否定形の練習で次の誤用ごよう=間違いをした。

 

――私はパンが好きくないです――

 

 あなたはこの文を「パンが好きじゃありません」 に訂正したら、学生から次の質問があった。

 

「アルバイトの日本人が『好きくないです』 と言っていました。どうして駄目ですか?」

 

 あなたはこれに対してどう答えるか?

 なぜこのような誤用が発生したのか文法的に説明せよ。

日本語再入門講座【文法】 ~い・な形容詞の否定形~

答えは、『好きくない』は「い形容詞」の否定形(例えが、大きい+くない)だから誤りで、「好き」は「な形容詞」だから、好き+じゃないが文法的に正しい表現である、とのこと。
おそらくココに、『学校文法』が『日本語文法』を採用できない理由がある。「好き」は『学校文法』の場合(「な形容詞」ではなく)「形容動詞」と教えられるが、この否定形については、好きで+はない(形容動詞+は・ない)とするのは不思議で、ならば「形容動詞」でなく、好き+ではない(動詞連体形、名詞+で₍は₎・ない)、にしても違和感を抱く。(ちなみにこととする vs. ことにする

そこを敢えて(混乱を避けて)日常会話の「じゃない」を持ってきて、好き+じゃない、と思いきる、言い切る。
はっきり言ってしまえば、滞在「外(国)人」相手だから便宜を優先して「適当」「いい加減」で、ところがこの場合、字面そのままのsuitable,adjust himself なのでしょう。
そういうことじゃないかと思う。
これは、「学校文法」に収まる話じゃなく(名詞+で₍は₎・ない)、話題の入試改革にも通じる話だ(名詞+だ)。そんな無用な心配を延々としているから、実用的なことが何ひとつ進まない。ばかばかしい限りであるー衒学的ことでくだ巻くのが学問の道だから、その資格を生徒に問うているのでしょう。生徒がそれを望もうが望まなかろうが。
私は簡単なことは簡単に済ませるのが適切だと思いますけれどね。
確かに大学は職業訓練校ではない、しかし、もとより高校は大学予備校ではない。
この価値中立な対立関係において、一律入試は、「社会人資格」を付与して、ディスプレイ効果しかない。ならば、時間がもったいないので、或いは適当な代替手段を考慮されない支配は不正義なので、中身(実用)を詰める功利を認めてよいではないか、というだけの話である。「公平」じゃないとの言い分は、この「ディスプレイ効果しかない」現然たる事実の前では、あまりに浮世離れしていると思う。メガネの縁を黒にするか、なしにするかの気分の問題でしかない。
とまれ。
大抵の児童は「好き」で躓くのではないだろうか。もちろんこれはレトリックで、私が躓いただけであるのは言うまでもない。

oshiete.goo.ne.jp

形容動詞 - Wikipedia
体言(たいげん)とは - コトバンク
連用形 - Wikipedia
品詞 - Wikipedia

 ☟を褒める前に、日本語学校を褒める見識があれば、傾聴に値する

源氏物語 A・ウェイリー版1

源氏物語 A・ウェイリー版1

 

 
ところで、

「ない」のではなくて「(敢えて)使わない」のだと思いますよ。
新聞各社、新聞協会に問い合わせてから、学者としての見解を述べられた方がよろしいんじゃありませんか?