なるほど。
「 もし人が自分の娘を奴隷として売るならば、その娘は男奴隷が去るように去ってはならない。彼女がもし彼女を自分のものと定めた主人の気に入らない時は、その主人は彼女が、贖われることを、これに許さなければならない。」(日本聖書協会訳)
なるほど。
もし[人]が[自分]の[娘]を[奴隷]として(売る)ならば、[そ]の[娘]は[男奴隷]が(去る)ように(去って)はならない。[彼女]がもし[彼女]を[自分]のものと(定めた)[主人]の(気に入ら)ない時は、[そ]の[主人]は[彼女]が、(贖われる)ことを、[これ]に(許さ)なければならない。
もし[主体]が[主体]の[客体]を[客体]として(述語)ならば、[そ]の[客体]は[客体]が(述語)ように(述語)はならない。[客体]がもし[客体]を[主体]のものと(述語)[主体]の(述語)ない時は、[そ]の[主体]は[客体]が、(述語)れることを、[客体]に(述語)なければならない。
もし[主体]が[主体]の[主語]を[主語]として(述語)ならば、[そ]の[主語]は[主語]が(述語)ように(述語)はならない。[主語]がもし[主語]を[主体]のものと(述語)[主体]の(述語)ない時は、[そ]の[主体]は[主語]が、(述語)れることを、[主語]に(述語)なければならない。
基本:主体>述語>主語
ポイントは2つ。
- 属格(所有格)の「の」
- 「去る」の構造
で、これは、「主体」の操作に係るから、主語は従うしかない。すなわち、「主人の気に入らない」は「奴隷の気に入らない」と原理的に構成ができないところ、再帰的に表現している。すなわち、「主体」あ決めたことを「主体」が「気に入らない」のは「矛盾」なのだが、だからこそ、「分岐条件」を示しうるという構成方法だろうと思う。
主体 | 述語 | 客体(主語) | 備考 |
---|---|---|---|
男(父) | 売る | 女奴隷(娘) | |
(主人) | 去る | 男奴隷 | 「許す」の構造的(二次的)述語 |
主人 | 定める | 女奴隷 | |
主人 | 気に入る | 主人(女奴隷) | 属格の再帰用法 |
男(父) | 贖う(代物弁済する) | 女奴隷 | |
主人 | 許す | 女奴隷 |
- もし人が自分の娘を奴隷として売るならば、
- その娘は男奴隷が去るように去ってはならない。
- 彼女がもし主人を気に入らない時は、
- 父は彼女を交換することができる。
- 主人は彼女に(それを)許さなければならない。
3乃至4は、2の内容となっている(男奴隷の場合どうするかはここではわからない)。「去る」のは奴隷だが、「去る」ことを「許す」のは(あくまで)主人である。
いや、知らないので、勘です。
たぶん、そんなことだろうなって。