先に確認しておきます

  • 私は授業でそろばんを習っていません
  • そろばん塾に通ったこともありません

そろばんの初心者です。小学校の低学年のころに見たことも触ったこともあります。兄の時代は、授業で習いましたし、カシオの電子計算機は発売されていましたが一般家庭に普及はしていませんでしたので、親は、基本的に、そろばんで計算していましたので、そろばんが家にありました。

母親は一度教えようとしましたが、もしかしたら先生といっしょで、教え方がわからず早々に挫折しました。

さて、話を進めます。

「そろばん」とは何か。
計算機と考えるからわからないのかもしれません。

  1. 数え上げるルールがある
  2. 数え上げる手順を覚える

媒体です。要は、計算してくれる機械ではなく、手順を記憶する媒体(ハード)です。
ですから

  1. 自分自身で数え上げなければならない

媒体です。したがって、

  • 計算ではない
  • 自動でやってくれない

ことを十分に踏まえるべきです。
おそらもっとも重要なポイントは、繰り返しになりますが、

  • 計算するのではなく、数え上げること

だろうと思います。つまり、手間がかかります。
ただ、

  • 慣れて来ると、手間を省略できるようになる(が、それは計算ではない)

とも言えそうです。
こう考えると、貴方の勘違いは以下の3点ではないかと思います。

  1. 計算と数え上げを同時に行わせた
  2. 計算と数え上げ参照させた
  3. 計算と数え上げを途中で入れ替えた

これを無自覚に行うとすると相当のリソースを必要としますので、時間がかかると思います。ならば自覚的に行いましょう。
ただし、あくまで数え上げるのが目的です。

小学校に入学したての1年生に「足す」という言葉の意味を教えた後の算数の時間でした。

私「何と何を足すと7になるのでしょうね」
「4と3を足すと7になります」
私「🔴🔴🔴🔴+🔴🔴🔴で7になりますね。ほかにはどうでしょう」

P7,3 足して7になる数

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これをただ無味乾燥な計算にしてしまわないために、ゲーミングで工夫できたらよいのだけれど。
数の分解をランダムにくりかえすことで、すでに「都度、数え上げて」いるはずですから、形式上の足し算の計算問題は繰り込まれて、単に、その文節になるでしょう。

すなわち、12は、もとより、、、、、9,10、11,12と数え上げられて成る、、、、、、、、、数字なわけですから、9+3と同じです。
これが、計算をする、のではなく、数え上げる、ということだと思います。
「置く」という言葉も「数え上げる」で統一した方がよいと思います。
すなわち、9+3は、

  1. まず、9を数え上げる
  2. 続いて、3を数え上げる

手続きのことです。

mathematicalpapyrus.com

小学生では「内包量」「外延量」を習うと思います。
でもこれだと、関数と区別がつかないのではないか?と素人ながら余計な心配をしてしまいます。

ペアノの公理 - Wikipedia

「これは『内包』じゃないのだろうか?」と不思議な気持ちになります(数学の厳密な定義は知りません。あくまで直観ですから、間違っていると思います)。
「外延」は歴史から考えると、「概念」という「中身を吟味すること」から区別されて在る、その中身たる実質で、それ自体は中身のない純粋な要素からなる「対象」ではないかと思います。つまり、「点」(位置情報)です。
ここで、内包は{}で、外延は1や2のことだろうと思います(いや、知りませんが)。そして、これらが、集合を為していると思います。

私もまだまだ勉強不足ですね、すみません。
言いたかったのは、ここで外延が、情報として「数え上げる」ということをやっていると思ったのですが({0,1,2})、「計算」だと、{0,{0},{0,{0}}}ということを自ずとやってしまているのではないかと思ったのです。
つまり、最初に言ったのは、{0,1,2}={0,{0},{0,{0}}} の対照の認識と理解を児童に強いているのではないかと思ったのです。
そろばんは左辺は引き受けているのですから、児童には右辺の情報としての「数え上げ」(部分)だけを引き受けさせれば十分だろうと思います。

実は、そろばん自体は、極めてシンプルな記憶媒体に過ぎないのですが、教える先生が「計算ができてしまう」ばかりに、計算機として取り扱ってしまい、このようなことになるのだろうと推察いたします。
そろばんで教えるべきなのは「計算」ではなく(下の桁からの)「数え上げ」だと思います。

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かける数である6と8を指で作ってみる。左手に6、右手に8を置いてみよう。

牧野武文. そろばん、計算尺、機械式計算機: ネーピアの対数とパスカルの計算機 レトロハッカーズ (Kindle の位置No.155). Makino Takefumi. Kindle 版. 

12×13=(10+2)×(10+3)=(10+2+3)×10+(2×3)

 6× 8=(10-4)×(10-2)=(10-4-2)×10+(4×2)
 6× 8=(5-4+5-2)×10+(4×2)
                 =2×{(1+3)×5}+(5-1)×(5-3)
                 =(5+1)×(5+3)

九章算術の開平

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大丈夫ですよ、先生。

ほとんどの人は算数なんてわかっていません。

ただ、できるだけです。